戸建てリノベーション : Ⅿ様邸

変わらずに変える

House Data

延床面積 92.74㎡ / 28.00坪
構造 木造2階建て
築年月 1974年11月

コンセプト

越後三大花火の一つ、片貝まつりの花火大会が行われる小千谷市。世界最大級の四尺玉が打ち上がることで知られている。ご家族は10年程前にこの地に中古住宅を購入し住みはじめた。初めてリノベーションの現地調査に訪れた日がちょうど片貝まつりの当日だった。普段は静かで田園風景が広がるのどかな町だが、この日は驚くほどにがらっと変わる。通りは人で溢れかえり、町中が活気に包まれ、地元の人々がこのお祭りを心から大切にし、誇りに思っていることが伝わってくる。リノベーションのテーマは「新しくしない」こと。元々ご夫婦はこの家の外観が気に入り購入を決めた。築年数と豪雪により、建物全体に劣化があり、新しいものに交換せざるを得ないが「なじみ」を残した姿に刷新することにした。雪国という土地柄、1mを超える積雪で窓が割れないように大きさや場所を検討したり、積雪荷重とそれに伴う耐震補強、底冷えする冬の寒さに対する断熱改修など考慮すべき点も多い。リノベーションは、なじんだ家の雰囲気を「変わらず」そのままに、問題点を改善して「変える」ことができる。家の歴史をばつんと分断せず、絡まったほつれを整えるように。この家で暮らしてきた思い出をそのままに、毎年変わらず打ち上がる花火と共に、この日常が続いていくことを願っている。

外観

外観は中古住宅として購入した当初の姿を活かし、新しく整えた刷新したつくりに。

内観

内部はどこか懐かしい雰囲気を残し、奥様がずっと大切に集めてきた古道具もなじむようにご提案させて頂いた。
時を積み重ねて暮らしていくと愛着が生まれる。リノベーションは時を紡ぎながら、無理なく暮らしていける手段になる。

関連する施工事例