マンションリノベーション : O様邸

荒廃と品格

House Data

延床面積 88.10㎡ / 26.60坪
構造 鉄骨鉄筋コンクリート造
築年月 1982年9月

コンセプト

信濃川を眼下に望め、新潟市を一望できる眺めもこの部屋の魅力となっている。「廃墟をつくる」というのがテーマのリノベーション。
この部屋で暮らすご夫婦は年月を経てできるものは、自分の意図を超えていてそこが面白いと中古マンションの一室を購入。
テーマである「廃墟」というのは、あまり作為的にしたくないという意味合いとしてとらえた。
家っぽさを排除することで、個人宅のLDKでありながら、誰もが自由に使えるラウンジのような匿名性の高い空間になった。
日常の中に非日常を持ち込んだような暮らし方には、家をただ機能として見るのではなく、むしろ川面を眺め佇む時間や、バルコニーで夕涼みする時間にこそ価値が見出されるようだ。
どこか情緒的で懐かしい感じも、築36年の歴史をリノベーションでつなぐ住まいの魅力の一つとなっている。

内観

内部は躯体コンクリートを剥き出しにし、仕上げはラワン、モルタル、オークで構成されている。
建具枠を無くし、合板の継ぎ目を揃えたりと納まりをきれいにすることを徹底し、ラフでありながらもどこか気品を感じさせる空間になっている。
その結果、躯体コンクリートの荒さと、内装の繊細さにギャップが生まれ、リノベーションならではの仕上がりになった。

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