【定額制注文住宅『PePe』】第1号!広大な枝豆畑を眺める32坪の家

※本記事は住宅情報WEBマガジンDaily Lives Niigataによる取材記事です。

 

枝豆畑を背に佇む、三角屋根の家

2018年に新潟市西区(旧黒埼町)で新築をし、丸4年が経つKさん家族の住まいを訪ねた。

枝豆畑に面した約50坪の土地は、東側接道で南北に長い長方形。奥行に対して間口が長く、道路に面してカーポート・庭・家が並んでいる。

白いガルバリウム鋼板で覆われたシンプルな三角屋根の家は、モリタ装芸の定額制注文住宅『PePe(ペペ)』で、K邸は記念すべき第1棟目だ。

PePeには、30坪・32坪・35坪・38坪・40坪タイプの計5パターンのサイズがあり、K邸は4間×4間(7.28m×7.28m)の正方形の平面を持つ32坪タイプだ(0.5坪分のポーチを含んでいるので、床面積は31.5坪)。

「長女が生まれるとそれまで住んでいたアパートが手狭になり、戸建てに住みたいと思うようになりました。家を買うなら建売ではなく注文住宅にしたいと思い、いろいろな住宅会社に見学に出掛けたんです」と奥様。

ハウスメーカーのモデルハウスが集まる総合住宅展示場にも見学に行ったが、2015年の春に行われていた「ライク女池上山 街並モデル住宅展」でモリタ装芸の注文住宅を見学し、その建物に惹かれたという。

2015年に「ライク女池上山 街並モデル住宅展」で公開された住まい。

「白い外壁に三角屋根が私の理想だったんですが、その家の外観は私がイメージしていたものだったんです」(奥様)。

そうして数ある住宅会社の中からモリタ装芸を選んだという。

 

定額制注文住宅『PePe』で新居の計画を進める

モリタ装芸では、ちょうど新しい定額制注文住宅『PePe』の商品開発を進めているタイミングでもあり、営業担当の櫻田佳子さんはその紹介をした。

「モリタ装芸の定額制注文住宅は以前から『ROMO』がありましたが、ROMOは片流れ屋根なんです。それに対して『PePe』は三角屋根の外観が特徴で、内部は2階を勾配天井にして開放的な空間をつくることができます」と櫻田さん。

ROMOやPePeは坪数に応じて基本となる金額が決まっており、施主側が費用をイメージしやすいというメリットがある。

建物形状はあらかじめ決まっているが、規格住宅とは異なり、間取りや内装、造作家具を自由に選んでつくり込んでいけるのがポイントだ。本社内に家具工房を持つモリタ装芸の強みが、存分に発揮できる住宅商品ともいえる。

もちろん完全自由設計よりも設計や施工のプロセスを効率化できている分、建築費用も抑えられる。

元々シンプルな佇まいの家を求めていたKさん夫婦にとってPePeの特徴はピタリとはまった。そして、設計担当の阿南征伸さんに相談をしながら間取りをつくり込んでいったという。

 

機能的な可動棚を備えた使い勝手のいい玄関

建物コーナーを切り欠いてつくった1畳のポーチがあり、ドアを開けると程よい広さの玄関&ホールが広がる。

右手には雑貨などを飾れる造作の下駄箱。左手には奥行350mmの可動棚が壁一面に付いた収納スペースがある。

ハンガーパイプには上着や傘を、棚には帽子やアウトドア道具をはじめこまごまとしたものを格納している。棚板の位置や数は収納するものに合わせていかようにもカスタマイズ可能だ。

玄関ホールの奥にある建具はプレイリーホームズのGPドア。天然木とチェッカーガラスを組み合わせた建具で、ブルーグレーカラーがかわいい。

そこを開けると、約18畳のLDKにつながる。

 

天然木とモノトーンで統一された心地いいリビング

オークのフローリングが広がるLDKは、南側の掃き出し窓からたっぷりと光が入る明るい空間。西面には高窓が設けられており、こちらからも光が注ぎ込む。

テレビは壁掛け式で、その下はシンプルで使い勝手のいい造作のTVボード。その一角はご主人の趣味である観賞魚の水槽コーナーとして活用している。

テレビと向かい合うように置かれているのは、幅180cm程のシンプルなソファ。天然木の台座とグレーのクッションが主張することなく空間に溶け込んでいる。ひじ置きのないすっきりとしたデザインのため、サイズの割には圧迫感を感じさせないのも特徴だ。

そのソファの右奥には高さ140cm程の小さな開口部があるが、こちらは階段下を利用したヌックのような空間。ただの四角い開口ではなく、家の形に切り欠き、20mm厚のタモの集成材の枠を付けることでかわいいコーナーに仕上がった。

中はお子様のおもちゃコーナーになっており、ペンダントライトを点ければ読書コーナーとしても使える。

このような遊び心ある空間づくりもモリタ装芸が得意とすることだ。

 

機能性もデザイン性も高い、モリタ装芸の造作家具

LDKの一角にはスタディーコーナーも。

こちらは1.8mのゆったりとした幅で、2人で並んで使うこともできる。天板には丈夫なタモの集成材が使われており、奥行500mmという少しスリムなサイズ感もリビングの一角にあるデスクとしては絶妙だ。

「ここは長女が宿題をするスペースとして使っています。友達が来ると2階の子ども部屋で遊びますが、それ以外は子どもたちもリビングで過ごすことが多いですね」とご主人。

キッチンは対面式で、キッチンに立てば空間全体を見渡せる。コンロの前は壁ではなく内窓を取り付けて視線が抜けるようにしているのもこだわりポイント。窓のフレームはドアと同じブルーグレーで統一している。

そして、キッチンの背面には1.8m幅のオーダーメイドのカップボードが。

上部の吊り棚はチェッカーガラスが入った扉付きで、よく使うカップなどはその下の飾り棚に置いている。

「ゴミ箱の寸法に合わせてスペースを確保してもらったり、以前から使っていた米びつを入れられるキャスター付きのワゴンを作って頂いたりしました。カップボードの右の白い扉の中はパントリーとして使っています」(奥様)。

機能性とデザイン、その両方のバランスが取れたキッチンが仕上がっている。

家事動線もよく考えられており、キッチンのすぐ隣には洗面脱衣室がレイアウトされている。

1.4m幅のゆとりある造作洗面台は、実験用シンクとスプルース材の三層パネルを組み合わせたもの。水がかかりやすい周囲の壁はグレーのタイルで仕上げている。

シンプルだが単調ではない。そんなバランスがよく考えられたデザインだ。鏡のフレームにも天然木を使うことで優しい表情が生まれている。

その隣には浴室とランドリールームが設けられており、3畳弱のランドリールームで洗濯と物干しが完結できる。

 

趣味を楽しむための籠もれるロフト空間も

次にリビング階段を上がって2階へと向かった。

階段を登り切った場所はベランダに面した4畳のフリースペース。「物干しに使っている場所ですが、休日はここでギターを弾いて過ごすことも多いですね」とご主人。

ベランダからはお隣の枝豆畑と弥彦山や角田山が一望できる開放的な景色が広がっている。

フリースペースから梯子を上がったところは5畳のロフト。

PePeの三角屋根の形状を活かしたロフトはご主人の趣味のスペースとして使っており、小さな空間にはライブのポスターや漫画、テレビ、ゲーム機など、ご主人の好きな物があふれている。

漫画喫茶のブースのようなスケールの空間は、時には家族から離れ、一人だけの時間に沈没したいと願う男性諸氏の憧れが詰め込まれているようだ。

PePeの特徴である勾配天井を活用すれば、このような床面積に含まれないプラスアルファの空間をつくることができる。

 

少しずつ木や花を植え、理想の庭に

PePeに住み始めて4年。Kさん夫婦は試行錯誤しながら庭づくりを続けてきたという。

「造園屋さんにつくって頂いた後も、自分たちで花を植えたりしながら庭づくりを続けてきました。ヤマボウシにシマトネリコ、アオダモ、オリーブ、ユーカリ、グミの木などの庭木や、タイム、ラベンダー、イワダレソウ、パンパスグラスなどの草花も植えています。今後も庭に花を増やしていきたいですね」と奥様。

新しい分譲地で同世代が多く、休日には近所の家族と一緒にバーベキューをして過ごすことも多いのだそう。

「2週間に1回くらいのペースでバーベキューをやっていますね。車を近所の方の敷地に置かせてもらって、うちのカーポートでバーベキューをしながらお酒を飲むんです。その間、プロジェクターを外に出して家の外壁に投影するんですが、子どもたちはそこでアニメを見て過ごすんですよ」とご主人。

枝豆畑に囲まれた分譲地は規模もコンパクト。袋小路を10世帯でシェアしているが、その程よい規模感が和やかなコミュニティの所以かもしれない。

日が暮れると畑を越えてくる風が少し涼しくなってきた。新潟らしさ、黒埼らしさがあふれるスローな時間がこの土地には流れている。

 

K邸
新潟市西区
延床面積 104.33㎡(31.50坪)
構造 木造軸組工法
竣工年月 2018年6月

写真・文/Daily Lives Niigata 鈴木亮平